元 連合会長日記

2015年春から自治会連合会の会長をしていましたが、7年で辞めました。。

市からの依頼で講演をした

 市議会議員から話を聞きたいという打診があり、参謀長と出かけて話をした。議員は非常に感心して、これを全市に拡げたいものだと言う。議会の総務委員会で話をしてくれないかということだったので、それはやりましょうと言って帰ってきた。

 それとは別に、市の方から講演依頼が来た。相手はこれから課長になる若手職員約50名だそうだ。時間は約45分ということであった。そのつもりでPowerPointで紙芝居を作って持って行った。

 市役所の職員相手なので、コンプライアンスを軸とした話をした。Complianceはもともとは軍隊用語で、規律に服従することを指すが、現代では社会規範に反することは、たとえ法律が禁止していなくてもコンプライアンス違反になるということを話した。簡単に概略をお伝えする。

 

 

 42年前、長男が生まれた時、帰省して市役所の戸籍課に書類を持って行った。すぐに戸籍を作ってもらう必要があったのだが、「2週間後に受け取りに来い」と山になっている書類の上に放置しようとした。職員は新聞を拡げてお茶を飲んでいるのに。

 法律では2週間以内だから良いのかもしれないが、それは仕事を一生懸命しているという条件での話だ。サボっていては通用しない。窓口で喧嘩になり始めた。後ろの方に居た課長氏が子供の時から知っている近所の人で、見るに見かねて自ら戸籍を作ってくれて、実家まで届けてくれた。おかげで助かったが、筆者にはこの経験から、「公務員は怠惰である」という先入観が植え付けられた。

 時は流れ、町内会長をした最初の年のことである。街路灯が歩道の真ん中に違法に設置されていることが分かり、担当者が撤去してくれと言って来た。こちらは町内会長になったばかりで戸惑った。誰が作ったのかもわからず、いつからあったのかもわからない。その担当者は I氏という若い職員であった。まじめそうであったが、そのうち担当を外れれば、うやむやになるかもしれないと思った。こちらとしても、あまりやりたくない仕事だったのだ。

「Iさん、違法と言うなら、どの法律に反しているか、明確にしてくれないか。また、その違法状態がいつから続いているのか、を調べてくれれば撤去しよう。」とやや意地悪なことを言ってみた。そうしたら、I氏は細かい報告書を作り、7年前から設置されているという明確な証拠を持って来た。これには参った。直ちに撤去し、合法的な場所に移転した。

 I氏ほど優秀な人は見たことが無かった。筆者の先入観は払拭された。それから良好な関係が続き、彼を信頼した。

 そのうちに街路樹のデタラメ剪定の件で I氏と話をした時に、「剪定を町内会に任せてくれないか。市役所がやるより安く、良い仕事をする自信がある。」と申し出てみた。I氏は、思わぬことを言った。

「会長、それは可能かもしれません。でも、来年もその次も会長をやってくれるという約束をしてくれなければ、この話を上に持って行けませんよ。」

 これにはやられた。彼の言うことは正しい。2日ほど考えて、「やりましょう」と返事をした。それにはまた別のファクタもあって、次年もやらざるを得ない理由もあったことは間違いない。この地域は新興住宅地で、毎年くじ引きで町内会長、連合会長が選ばれ、1年間我慢をすればなにがしかの謝礼がもらえる、というだけの連合会であったのだ。筆者が引き受けた時、連合会費はかなり良い車が買えるほど積み上がり、10年以上特に何もした形跡がなかった。人件費くらいしか出費がなく、かなりの金額が配られていたので、それは減額した。と同時に金の使い途を探し、次々とかなりの金を投資して、町内のバス停の改良、照明の増設をした。徴収する連合会費の減額もして、現在は収支が釣り合っている。

                    (この項続く)