元 連合会長日記

2015年春から自治会連合会の会長をしていましたが、7年で辞めました。。

赤十字の寄付

 町内会長になった時、帳簿を詳しく見た。赤十字に町内会費から一律に一軒当たり500円を寄付している。何ということだ。これは、憲法によって保障されている基本的人権の、個人の幸福追求権を侵害するものである。こんなことをしていたとは驚いた。

 実は25年ほど前、この地域に引っ越した時、当時の町内会長が訳の分からない人で、それをやっていた。総会で発言し、止めさせたことがある。それで解決かと思ったら、また復活しているわけだ。
 
 何か根拠になる判決を探したら、どんぴしゃりの最高裁判決が見つかった。とにかく明快な判決で、違法と断じている高裁の判決を認めている。
 要するに、各個人の意思を確認して寄付をするのはOKなのだが、そんなことをするのはとても大変だ。
「寄付は個人でしてください。町内会は寄付に協力しません。」ということを総会で宣言した。そうしたら、
「総会で決めたことを、どうしてあなた個人が覆せるのだ。」
となじられた。
最高裁が決めています。私が決めたことではないのです。民法には公序良俗に反する契約は無効とあります。」
と言っても埒が明かない。そのうち訳の分かった人が、
「会長は正しい。最高裁には勝てない。」と言ってくれたのだが、不満分子は残った。後で、文句を言いに来た。
「総会で委任状も出ている上で決めたことだ。そこで決めたことは実行せよ。」と言うのだ。
「今年だけは実行して来年からやめれば良い。」と訳のわかったふりをして詰め寄る人もいたが、そんなことはできない。それは違法行為を強制している。
 
 司法試験での模範解答は、「委任状は違法行為まで委任しているわけではない。」である。すなわち、最高裁の判決に逆らう決議は無効なのである。何を言っても無駄なのだが、何度も来る人が居た。挙句の果てに、
最高裁がそう言ったって、他の裁判所で別の判決が出るかもしれない。」
と言った人が居て、脱力した。そんなことはあり得ない。30年も経てば社会情勢に合わない判決は見直されることもあるだろうが、基本的人権に関する判決はまず見直すことはない。
 ここは日本である。某隣国とは違う。法体系は守られている。しかし分からない人は居る。町内会で決議したことは絶体的真理である、と信じて疑わない人が居るのだ。中学校で最高裁とは何かを勉強したはずである。