元 連合会長日記

2015年春から自治会連合会の会長をしていましたが、7年で辞めました。。

消防団への金銭授与

 古い友人から電話があった。彼は自治会長をしているという。たまたまこの「連合会長日記」を読み、筆者のことだろうとすぐ分かったと言う。

 彼の自治会連合会では、消防団に金を渡しているらしい。協力金という名目だそうだ。「これって、良いのだろうか?」という質問であった。

 

 結論は簡潔明瞭であって「違法行為である。」だ。これは横浜地裁での確定判決がある。地裁レベルでの確定判決は珍しいのでよく覚えていた。「法律によって禁止されている。」としか無い、極めて短い判決文である。これでは反論できないのは自明でそのまま確定した。消防団側についた弁護士が居たことも不思議な話だ。勝てるわけがない裁判である。

 消防団員は非常勤の公務員である。地方公務員法で、公(おおやけ)からの金以外は受け取ってはいけないとある。しかしこれは無視されている地域が多い。

 実は当連合会も支払っていた。1軒あたり80円、連合会全体で9万円弱、この地域の5連合会で40万円強を毎年払っていたのだ。連合会長に就任後、帳簿を見てすぐに気が付き、5連合で消防団との会見に臨んだ。消防団は、「このお金は有効利用している。」と言う。内容を聞くと、呆れてしまった。

 保険料として、年に20万円以上支払っていると言う。保険料はドブに捨てられたも同然である。彼らは公務員であるから、公傷を受けたり、殉職することがあれば、非常に多額の賞恤金(しょうじゅつきん)が支払われる。すなわち、保険など入る必要は全くない。その他は操法大会に行く旅費だと言うのだが、中身がわからない。酒を飲む金ではなかったと言い張るが、そんなことを言っているのではない。受け取ってはならないと法律に書いてあるのだ。

 交渉の結果、時効までの3年分を取り戻したが、その後筆者はかなりの悪者扱いをされていた。どちらが悪いかは自明であるのだが。暗いところですれ違いざまに、「お前のところが火事になっても誰も消しに行かないぞ。」と言われたこともある。それは収賄を認めたということである。

 市の消防本部にまで出向いてこの話を確認したところ、本部では、「金を集めることを禁止している。」と明言する。しかし実際はまだ集めているところがいくつかある。そこの連合会長に聞くと、「法律がどうなっていても、我々は払い続ける。」と言ったので驚いた。この種の問題は根深い。

 根本的なことは、彼らに自分が公務員であるという自覚がなかったことだ。非常勤であっても公務員なのだ。法律を遵守する義務がある。

 消防団の詰め所に行くと今でもタバコを吸っている。公的な建物の中の喫煙は禁止されているが、そんなことは知ったことではないのだ。今度消防本部がこの地区に引っ越してくる。安全な場所に移るのだ。その時また消防団のための建物を建てると言う。その会議で発言を求められたので、新しい建物内での禁煙を厳命するようにと念を押した。