元 連合会長日記

2015年春から自治会連合会の会長をしていましたが、7年で辞めました。。

市役所が街路樹の剪定を委託したいと言って来た

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美しいナンキンハゼの紅葉


 2回目の話し合いがあった。町内には約500本の街路樹がある。そのすべてと公園の周囲の植込みのメンテナンスを委託したいという。

 当初、市が提示した金額は、年30万円でそのすべてをやれというものだった。冗談にもならぬ金額だ。毎年数百万を投下していたものを、ボランティアだからタダでやれと言ってきたのだ。市役所にとってはボランティアはゴミのようなものでコキ使えば良いという認識だ。そこで、我々は市の平成31年度予算編成指針を出して、「ここの部分を声を出して読んでみよ。」と言った。

 そこには過去に捉われず、新しい取り組みをせよと書いてあった。すべて市がやるのではなく、住民の力を合わせて問題解決するPPPの考え方が書いてあった。課長氏は読んでいなかったようだ。目を白黒していたが、二回目は読んだらしく、殊勝な面持ちでやってきた。

 年180万で委託したいという。正直なところ安いが、やり方によっては出来るだろう。要するに3年に一回の強剪定という考え方である。我々は毎年手を入れて年500万というつもりでいた。今回の街路樹問題の取組みが始まって3年目である。その間剪定はしていない。電路に障る部分、交通障碍になる部分は切ったが、全体は切っていない。それでこのように立派な街路樹のある通りになった。即ち3年に一回という見立ては間違っているとも思えない。

 本来は3年に1回だったらしい。ところが一部の不当な要求をする住民の激しい攻撃により、毎年やることになってしまって、我々は一度も素晴らしい紅葉を見ることがなかったのだ。このような不当な要求をはねのけることができるようになったのは、我々の運動があるからこそである。それだけでも市は我々に感謝すべきである。

 PPPにより、市は予算節減ができ、我々はすばらしい街路樹のある生活を享受できることになる。今までより格段に良いレベルの剪定である。腕の良い庭師に依頼することができるので、皆が驚くほどの変化があると予想できる。

 高所作業車の操作資格も取得した。ゴミの処理も市にお願いするか、チッパを持って来て粉砕し、公園の樹木の下に撒くかは、様子を見て決める。

 2年前、毎年やっていた強剪定をやめると言ったとき、かなりの反発があったが、最近はあまり聞かない。むしろ、よくやってくれたという意見が多くなってきた。すべての支柱を春と秋の清掃奉仕で撤去したのが、潮目であったように思う。今まで何の為にあるのかすら考えていなかったのだが、無くなると美しいと感じたのだ。街路樹の根元の雑草も抜いて下さる人が増えた。

 街路樹問題を期として、皆で街を美しくして、資産価値を上げようという気分が盛り上がってきたように思う。もちろん無関心の人も居るが、協力しようとする人が出て来たのだ。この計画が進行すると、周りの街との格差が際立ってくるはずだ。そうなると彼らも追随するだろう。

 アダプト・プログラムという言葉をご存知の人も居るだろう。当市にもそれがある。地元の方がそれに参加して、我々と共同して落葉処理等に取り組んでくれる可能性が出てきた。このadopt programは1980年代にアメリカで始まった方式である。現在はアメリカ中の街にそれがあり、企業がお金を出して清掃し、それをやっているという看板を出して宣伝に利用しているものが多い。もちろん一般の民間人が組織するものもある。日本にも30年遅れで導入されてきたのだ。

 ともかく来年度から、自治会主導による街路樹剪定を中心とする町内美化運動が始まる。老人会も参加してくれる。民生委員も参加して、要保護家庭との連携を強くする。

 剪定のやり方を工夫して、多少なりとも余剰金が出れば、自治会館の整備もやりたいと計画している。うまくやれば、市にも住民にも利益があるのだ。