元 連合会長日記

2015年春から自治会連合会の会長をしていましたが、7年で辞めました。。

赤い羽根

 先日、連合会長を集めて理事会が開かれた。連合会長はどういうわけか、理事なのだ。

  
 市からの連絡事項がたくさんあり、質疑応答がある。またもや社会福祉協議会とかいうところが、一軒当たり500円以上の寄付をお願いします、と言っている。彼らは思考回路を持っているのだろうか、といつも不思議に思う。
 今年も筆者が挙手し、
「このような目標額を決めた自治会を通じての寄付集めは、最高裁違憲だと判断を下していることはご承知であろう。毎回同じことをどうして言うのだ。」
と言った。そうしたら、その男は、「目標を決めないと・・・。」と訳がわからない答弁をする。再度、
最高裁の判決よりこの町で決めたことが優先するのか。」
と問い糺すと、
「これはお願いでありまして、強制ではありません。」
とごまかし始めた。
 他の連合会長が、
「何を言っているのだ。くだらないごまかしは止めろ。最高裁に逆らう事なんかできない。町内会を寄付集めに使うな。」と発言してくれた。
 それでも、その社会福祉協議会とやらはわからない。くどくどと意味不明の答弁をする。オツムの出来がよろしくないようだ。困ったなと思っていたところ、やおら、副会長のN氏が立ち上がって、
「これは執行部のミスです。このようなお願いをするということを市が言い始めたときに、『それは最高裁の判決で禁止されている。駄目だ。』と言うべきであった。うっかり見逃してしまった。申し訳ない。来年からこのような寄付は自治会を通さない。」
と明言してくれたのだ。
 
 これで全て解決かと思ったら、そうではなかった。
 地下の駐車場でその男が近づいてきた。先ほどは申し訳ありませんでした。反省しています、とでもいうのかと思ったら、こんなことを言う。
最高裁の判決では、町内会に上乗せして集金するのが違法と書いてあるのですよね。別に集めれば問題ないでしょう。」
 
 脱力した。国語力がないとこうなるという典型例だ。「朝三暮四」という言葉の意味を知らないのだ。見掛けを変えても中味は一緒だ。500円の集金をするのが面倒だから、大半の町内では町内会費から500円×軒数の総額を出して、怪しい領収書を配っている。これって最高裁の判決に違反してないと言い張るのだろうか。
 500円と書いてあればまだいいほうで、白紙で渡しているところもいっぱいある。脱税してくださいということだ。
 
 500円を集めに回るところがあったとしても、町内会の人が来れば半強制であって、断わることができる人はまずいない。
 
 最高裁の判決の要旨は、「個人の幸福追求権を侵している。」である。この人は判決を読んでも、ここにたどり着けない人だ。〇カにつける薬はない。寄付をしたい人、したくない人はそれぞれに尊重されるべきだ。こんなことに町内会を使うのが間違っている。
 
 ここまで言っても分からないらしく、「寄付をしたい人もいるんです。」と言う。
 禁止されているわけではないから、勝手にすれば良い。そんなことを町内会に責任をなすりつけられては、たまらない。
 
 愚かな公務員にありがちなパターンだ。「前任者の成績以上にしたい」以外、何も考えられないのだろう。我が連合会の寄付額は、昨年の半額近くまで落ち込んだ。来年こそゼロにしたい。